公開日 2019.06.20
沖縄県暴力団排除条例が改正されました。
(令和元年5月1日施行)
改正ポイントは2点
- 条例第13条(事業者による利益供与の禁止)及び第15条(暴力団員が利益供与を受けることの禁止)の一部改正
- 第7章(暴力団排除特別強化地域)の新設
条例制定の目的
この条例は、沖縄県からの暴力団員根絶を目的に、沖縄県の現状に鑑み、暴力排除活動に関し、県及び県民等の責務を明らかにするとともに青少年の健全な育成を図るための措置、事業者による利益の供与の禁止等を定めることにより、県民の安全かつ平穏な生活の確保を図ることを目的とします。
条例の概要
1 基本理念
基本理念(第3条)
暴力団の存在が、県民の平穏な生活等に不当な影響を与えることにかんがみ、
- 「暴力団を恐れないこと」
- 「暴力団に対して資金を提供しないこと」
- 「暴力団を利用しないこと」
- 「暴力団と交際しないこと」
を基本とするとともに、
- 「暴力団事務所の存在を許さないこと」
として、県、県民、事業者等が一丸となって暴力団の排除を推進します。
2 県の責務・県民等の責務
県の責務(第4条)
県は、市町村、県民及び沖縄県暴力追放運動推進センターと連携・協力して暴力排除活動に 関する施策を総合的に推進します。
県民等の責務(第5条)
県民や事業者は、暴力排除活動に積極的に取り組むとともに、県が実施する施策に協力するよう努めるものとし、暴力排除活動に役立つと思われる情報を知ったときは、県に提供するよう努めます。
3 暴力排除活動に関する基本的施策
県の事務及び事業における措置(第6条)
県は、公共工事その他の県の事務又は事業が、暴力団員による不当な行為を助長することとならないよう、暴力団員又は暴力団員と密接な関係を有する者を県が実施する入札に参加させない等の必要な措置を講じます。
公安委員会による保護措置(第7条)
県民等が安心して暴力排除活動に積極的に取り組めるように、公安委員会による保護措置を行います。
県民等に対する支援(第8条)
県は、県民等に対し、暴力排除活動に積極的に取り組むことができるよう、県民等に対し、情報の提供等、必要な支援を行います。
広報及び啓発(第9条)
県は、暴力排除活動に関し、県民等への知識の普及や意識の高揚を図るため、広報・啓発活動を行います。
市町村への協力(第10条)
県は、市町村が、暴力排除活動に関する施策を推進する場合には、情報の提供その他の必要な協力を行います。
4 青少年の健全な育成を図るための措置
暴力団事務所の開設及び運営の禁止(第11条)
青少年の健全育成を図るため、学校施設、児童福祉施設及び図書館等一定の施設の周囲200メートルの区域内において、暴力団事務所の新規開設又は運営を禁止します。
※違反した場合は罰則を科します。
青少年に対する教育(第12条)
県は、青少年に対し、暴力団員による不当な行為を受けないようにするための教育、指導その他の必要な支援を行います。
5 暴力団員等に対する利益の供与の禁止等
利益の供与の禁止(第13条)
事業者は、自己の行う事業に関し、暴力団の威力を利用して暴力団員等に金品等の利益を与えることを禁止するほか、暴力団の活動を助長し、又は暴力団の運営になることを知って利益を与えることを禁止します。
※条例の一部改正により下線部分を追加しています。
※違反した場合は勧告・公表等の対象となります。
契約締結時における措置(第14条)
事業者は、自己の行う事業に関し、契約を締結するときは、当該契約が暴力団員による不当な行為を助長することとならないよう努めることとします。
暴力団員が利益の供与を受けることの禁止(第15条)
暴力団員等が、事業者から金品等の利益を受けることを禁止します。
※違反した場合は勧告・公表等の対象となります。
6 不動産業者等に関する措置
不動産の譲渡等をしようとする者の責務(第16条)
県内に所在する不動産の取引(売買・賃貸借等)をしようとする者は、取引契約の際に、相手方が取引物件を暴力団の事務所として使用しないことを確認するよう努めることとします。
何人も、自己が取引しようとしている不動産が暴力団事務所として使用されることとなることを知ったときは、当該不動産の取引に係る契約を締結しないよう努めることとします。
不動産の譲渡等の代理等をする者の責務(第17条)
不動産取引の仲介をする者は、上記の不動産契約に関する規定を遵守するため、必要な措置を講じることとします。
何人も、不動産物件が暴力団事務所として使用されることとなることを知ったときは、当該不動産取引の仲介等をしないよう努めることとします。
7 暴力団排除特別強化地域(令和元年5月1日施行)
暴力団排除特別強化地域(第18条)
次に掲げる地域を暴力団排除特別強化地域(以下「特別強化地域」)とします。
- 那覇市松山1丁目1番から5番まで、松山1丁目13番及び松山1丁目14番並びに松山2丁目1番から12番まで
- 沖縄市上地一丁目1番から3番まで及び上地一丁目9番から16番まで並びに上地二丁目1番、上地二丁目2番及び上地二丁目8番から10番まで
特定営業者の禁止行為(第19条)
特別強化地域内の風俗営業等の特定営業者に対し
- 暴力団員を客に接する業務に従事させること
- 暴力団員から用心棒の役務の提供を受けること
-
用心棒の役務の提供又は営業の容認の対償として暴力団員に利益を与えること
を禁止します。
※ 特定営業者一覧
※ 違反した場合は罰則を科します。
※ 特定営業者が自首した際は、刑の減軽または免除することができる自首減免を定めております。
暴力団員の禁止行為(第20条)
暴力団員に対しても、特定営業者に対する禁止行為の対向的行為(用心棒代を受け取る等)を禁止します。
※違反した場合は罰則を科します。
8 義務違反者等に対する措置
報告徴収・勧告・公表(第21条~第23条)
第13条又は第15条に違反する疑いのある者等に対し、説明又は資料の提出を求めます。
正当な理由がなく、説明又は資料の提出を拒んだり、利益供与の禁止規定に違反した場合、当該行為者に必要な勧告を行います。
勧告を受けた者が、正当な理由がなく当該勧告に従わないときは、違反事実等の公表を行います。
罰則(第25条)
次に該当する者は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に科されます。
- 第11条の規定に違反して暴力団事務所を開設、運営した者
- 相手が暴力団員であることを知って、第19条の規定に違反した者
- 第20条の規定に違反した者
第19条の規定に違反した特定営業者が自首した時は、刑を減軽又は免除することができます。
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